劇団、本谷有希子 第11回公演 「遭難、」を観て

自分が大好きで、自分のためには何でもしてしまう主人公。「自分が大好き」には2つあると思う。ひとつは、今の自分が文字通り大好きで満足しきっている状態。もうひとつは、自分自身は大好きだけど、自分が周りからこう思われたいとする理想の自分がいて、その理想の自分なるためには他人のことなど考えずに何でもやってしまう状態。この主人公は後者。すごく嫌な人間なのに、気持ちが理解できなくはない。というか、むしろ分かってしまう。恥ずかしいけど、私は自己愛が強いように思う。認められたいとか、馬鹿にされたくないという思いが人一倍強い。この主人公みたいに自分のために他人を陥れることはしないけど、何かのきっかけでそうなり兼ねないような気がしてこわい。