キリンジ『DODECAGON』

  • 「Love is on line」

アルバム11曲目。「君は女ですか 女の振りかな」にも笑ってしまうことはなく、私はただただ美しくて切なくてうっとりしてしまう。必ず、サビで身体がふわっと浮いたような感覚に陥り、次の瞬間、素敵すぎてゾクゾク鳥肌がたってしまうんだ。
蜘蛛の糸」「あやとり」が自分の頭の中にあるインターネットの図と重なり合う。無機質なインターネットの世界をこれだけ美しく表現したものはあまり無いのでは。

言葉の泡を掻き分けてゆく
僕は何を探しているのだろう


君ひとりに巡り逢いたいのさ

言葉の泡というのは、「君」以外の人の言葉のことかもしれない。その大勢の中から「君」を探しているという風に受け取ることができそうだ。でも、私は、「君」の言葉なのではないかなと思った。インターネットの世界では、主として言葉からその人を理解しなくてはならない。多分この歌の彼は、そんな「君」の言葉を目で追いつつも、そこから感じ取れる本当の「君」自身を探し求めているんじゃないだろうか。なんて、勝手に想像を膨らませてみたり。