『潰瘍性大腸炎と上手に付き合う本』
潰瘍性大腸炎がらみで一番新しい本。著者の考えの違いもあるのでしょうが、昔と比べたら、言われていることがずいぶん変わってきていて、改めて驚きます。
注意しておきたい部分を箇条書きにまとめておきます。
- 免疫調整剤のイムランを使用している方は、インフルエンザワクチンを打っても抗体ができにくいので、役に立ちません。
- 潰瘍性大腸炎の患者は原因不明だが、神経痛・筋肉痛・関節痛・肩こりからの頭痛を起こすことが多い。
- 身体的ストレス(寝不足・過労)、精神的ストレス(不安・心配)は再燃の原因です。状態によっては、軽い睡眠剤や安定剤を処方してもらうのもよいでしょう。
- 夏場の日焼けやお腹を強く締める服も身体的ストレスになります。
- 英国191人の患者さんの追跡調査では、穀類や牛乳を多く摂取しても再燃する人はいませんでした。一方、豚肉・牛肉・サラミ・ソーセージなどの加工肉を食べる人は5.2倍、アルコールを多く飲む人は2.7倍、卵を多く食べる人は2.3倍再燃しやすいそうです。
- 増粘多糖類のカラギナンは大きな分子量の物質ですが、分解されて分子量が小さくなると、炎症を引き起こすことが知られています(ウサギでの実験)。関係性はまだ不明ですが、カラギナンは避けた方がよいでしょう。
- 食物繊維は粘膜の修復を行います。下痢状の便では、粘膜と便との間に粘液の層を作ることができず、粘膜に便が直接接触することにより、粘膜を傷害します。それを食物繊維は改善します。
- 睡眠が7時間以上の患者さんは、7時間未満の人より悪化する確立が1/3でした。
- 作者: 石川秀樹
- 出版社/メーカー: 三雲社
- 発売日: 2010/12/01
- メディア: 単行本
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