「カラフルメリィでオハヨ 〜いつもの軽い致命傷の朝〜」@本多劇場
初ケラ作品。あんなに笑ったのに、こんなに悲しくなるのはどうしてなのだろう。おかしみと哀しみが同時に襲ってくるお芝居だった。
最後に出てくる「人間の死亡率100%」という言葉が心に残っている。確かに、遅かれ早かれ、人間はみんな死ぬ。当たり前のことなのに、衝撃を受けた。当たり前のことだから、意識していなかったのかもしれない。
軽快な音楽に合わせて歌われるいろいろな病名とその死亡率。病気持ちの私だが、その歌を耳にしても、自分のことを思って辛くなることはなかった。劇中に出てくる痴呆の老人や奇病を患った人たちを見ていても、自分のことに置き換えはしなかった。はちゃめちゃでスピード感溢れる展開が、私に考える余裕を与えなかったのかもしれないが、恐らく私は、自身についてではなく、全ての人間について考えていたのだと思う。人間とは、なんと哀しくておかしな生き物であることか。
その他メモ
- 大倉孝二さんがよかった。芝居のリズム感に長けている。「開放弦」も観に行くことにした。
- 「good day house」で好きになった小松和重さん。今回は趣の異なる役だったが、見事にはまっていた。最低な男の役も上手い。
- これは、ケラさんが、ご自分のお父様を看病しつつ書いたらしい。ギャグ満載でも、どこか真実味を感じさせたのは、そういうこともあったのだろう。
- 作者: ケラリーノ・サンドロヴィッチ,Keralino Sandorovich
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 単行本
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