巧み

馬の骨と堀込高樹ソロからキリンジを知った友人がいます。その彼女にどのアルバムが聴き始めにおすすめかと質問されました。私自身は Single「スウィートソウルep」から入った口。誰かに薦められたわけではなく、「クレイジー・サマー」を初めて聴いて好きになり、それが入っているのがこちらだったという出会いでした。このきれいにまとめられたシングル*1も耳に心地よく飛び込みやすいと思いますが、いま一度、キリンジのアルバムを集中して聴きかえしています。
こうやってアルバムを頭から終わりまで通しで聴くと、シャッフルでは分からない曲の流れの良さを改めて感じます。1st Album「ペイパードライヴァーズミュージック」の「甘やかな身体」→「P.D.M」→「ニュータウン」→「汗染みは淡いブルース」のところなんか、ほんと素晴らしい。「甘やかな身体」の最後のメロディーから「P.D.M」に自然な流れでつながり、一瞬間が空いて、遠くから何かを予感させるような「ニュータウン」の前奏が始まる。そして、心を浮き立たせるようなこの曲が突如打ち止められ、その不思議な感覚を抱いたまま「汗染みは淡いブルース」のこれまた不可思議なギーチャッチャのリズムへ突入。これを聴くと、やられたーと思うのです。

ペイパー・ドライヴァーズ・ミュージック

ペイパー・ドライヴァーズ・ミュージック

*1:といっても6曲とそのインストの計12曲入り。