「うす皮一枚」@本多劇場

舞台としてはおそまつな部分があったと思う。暗転中の物の移動などはガラガラと音が目立つし、流れる音楽も舞台のデザインもなんかいまひとつ。台詞が不要な場面も目に付いた。動きと表情だけで十分伝わる場面、言葉がない方が伝わる場面にも要らない台詞が入っていた。ストーリーだって、よく考えれば非常に自己中心的だったり、きれいにまとめすぎている気もする。
でも、南海キャンディーズしずちゃんの演技が本当に本当に素晴らしかった。静かな演技だ。声をあらげる場面でも、そう思った。主人公の心の奥底にある当人にしかわからない気持ち、他人は理解しがたい感情がじわじわこちらに伝わってくるような、そんな感じ。出演者の中でもずば抜けて素晴らしかった。
しずちゃんのせいで、不覚にも涙をこぼしてしまった。