ヘンリー・ダーガー展@原美術館

雨風が弱まった午後、明日で終わってしまう「ヘンリー・ダーガー 少女たちの戦いの物語−夢の楽園」を駆け込みで観にいってきました。
品川駅から徒歩15分とやや遠いのですが、立ち並ぶラーメン屋、赤い電車、三菱関東閣、立派な御宅を眺めながら歩いていたので、あまり苦もなくたどり着くことができました。原美術館は初めてです。昔の小さな学校のような感じで、雰囲気のある建物がすてきです。床がぎしぎし鳴るところも、味わい深いとさえ思えました。
絵を見ての一番の感想は、色使いの素晴らしさです。色の組み合わせ方がとても魅力的。ポップな色使いは、レトロなかわいさではなく、今っぽいかわいさがあります。勉強したわけではないということだから、天性のものなのでしょうね。そして、さらに、雑誌や新聞から膨大な量のトレースを行なったことで、その媒体の色彩から自然と学ぶこともあったかもしれないと思いました。
今回の展示は、「少女たちが無邪気に遊ぶ楽園のイメージを中心に構成します」と説明書きにあった通り、血が流れたり内臓が飛び出したりなどの残酷なものはあまりありませんでしたが、やはり、目玉が飛び出している子供のすぐ隣りで、少女たちが笑顔をふりまいている状況は、普通ではありません。彼の少女への特別な愛情がどのようなものだったのか私にはわかりませんが、絵や物語に情熱を注いでくれてよかったなぁというくだらない感想を持ちました。