まだダメなんだ。

土曜日に、病院の待合室にあった「AERA(2006年3月27日号)」を読んでから、ずっと心に重たい何かが居座っています。特集記事「女性作家は背が高い」で、書かれていたことが図星だったからだと思います。記事の内容は、女性作家に長身の人が多い理由を考察したものでした。以下は、筆者の文章と、記事の中で引用されていた光野桃さんの文章です。

「性が介在しなければ個体の強さである大柄さであるのに、男社会では女の大柄さは『かわいくないもの』『にくらしいもの』」と化す。よって♀の本能である『守ってもらいたい』という願望が幼少期から満たされることはない。結果、守ってもらえずともなんとかしなければならないから、ますます『にくらしいもの』『かわいくないもの』に成長する。」

「視線って低いところから見上げる方が強いんです。見上げるものは支配力がある。小柄な女性は強い視線を持っている。しかし背が高い女性は見上げるものがないから、丘の上に一人立って天を仰ぐしかない。孤独なんです。」

私は、今でも、背が高い自分を気に入ってはいませんが、高校生頃までの極度のコンプレックスからは抜け出せていると思っていました。あの頃の私は、猫背で縮こまっていて、身長のことでこっそり泣いていたことがたくさんありました。ですが、大学生頃からは、もう開き直って、姿勢を褒められる程に背筋を伸ばせるようになったのです。今では、自分でも身長をネタに出来るほどです。
それなのに、この記事を読んだとき、本当のところを見透かされたような気がして涙がこぼれそうになってしまいました。心が反応してしまったようでした。私は、まだ乗り越えていないんだということをつきつけられた気がするのです。