「密室彼女」@ザ・スズナリ

原案が乙一さん、脚本・演出が本谷有希子さんということで、いつもの「劇団、本谷有希子」とは違う雰囲気らしいです。正直、乙一さんの本は手に取ったことがなく、本谷さんの舞台も「無理矢理」しか経験がないので、その点はイマイチ分かりませんでした。
ですが、とても面白かったことは確かです、「時空」というテーマが出てきたり、ミステリー仕立てで最後まで目を話せないところなど、ストーリーが自分好みでした。役者で観る舞台もあると思うのですが、まずストーリーありきだと思っているので、ストーリーの良し悪しはその舞台を判断する重要ポイントです。「時空」というキーワードで何でも解決できてしまうという危険もありますが、今回は納得できる使い方でした。
役者さんも、皆さん雰囲気にピッタリだったと思います。役者だから演技でそう見せているのかもしれませんが。相変わらず加藤啓さんは上手いなーと思います。雰囲気のある容姿もステキです。ただのかっこいい人ではなく、ひとくせありそうなかっこよさがいいのです。吉本菜穂子さんは、面白いセリフをぼそっと普通に言うところがおかしくて、吹き出してしまいました。声のトーンも独特です。杉山彦々さんは、衣装が似合いすぎていました。ああいう人、絶対インドにたたずんでいます。腕を常に掻いているのは、不潔にしているからなのでしょうか。なぜか目がいってしまいました。