「獏のゆりかご」@紀伊國屋ホール

開演3分前にすべりこみで到着。いつも使ってる路線が人身事故で止まってしまって、急遽別の路線で行くことになり、危うく間に合わないところでした。
作・演出はグリングの青木豪さん。青木さんの作品を観たのは今回が初です。
誰もがどこかで感じたことのある暗さ、それでも持っていたい希望が、地味なエピソードに織り込まれたお芝居でした。派手さは無く、無理もなく、自然で、落ち着いて観ることができました。私の頭が考えるスピードと合っていたから、焦らされる感じがないのかもしれません。
安心して観られた理由にはキャストもあります。杉田かおるさん、高橋克実さん、マギーさん、小松和重さん、池谷のぶえさん、明星真由美さん、安田顕さん、段田安則さんの8名。以前舞台に近い席での観劇で、ふとした瞬間に出た素の部分を見てしまったことがあり、今日の2列目の観劇も気になってはいたのですが、全く杞憂に終わりました。むしろそんな不安を抱いていたことを、役者さんに対して申し訳なく思います。たいてい舞台終了後に印象に残っている役や役者さんはほんの数人なのですが、今回は全員がしっかりと記憶残っています。全員が全員この物語になくてはならない役柄だったことと、役者の皆さんの素晴らしい演技があったからでしょう。
特に明星さんは色々と気になる方です。「神はサイコロを振らない」と「吾輩は主婦である」で演技を見て、毎回毎回雰囲気の違う役を器用にこなすと思っていましたが、今日もまたガラっと違うイメージ。観たい女優さんが増えました。この明星さん、なんと一旦女優を休業して氣志團のマネージャーをやっていたという面白い過去をお持ちだということを今日知りました。さらに興味が沸きます。