最近読んだ本

ニコルソン・ベイカーの作品を読んだのは「もしもし」に続いて、これが2作目。訂正!「ノリーのおわらない物語」に続いて3作目でした。
読み終わるのに、結構時間がかかりました。決しておもしろくないわけではなく、むしろおもしろいのにそうなってしまうのは、注がものすごく多いためにあっちへ行ったりこっちへ行ったりで、読みにくかったから。それと、私の頭がうまくついていけなかったからじゃないかと。でも、この本の主人公の頭の中がまさにそんな感じなわけで、そういう状態を身を持って体験できているのかなと途中で思い始めてから、俄然楽しくなりました。
読み始めて数ページ目で出会う、曲げられるストローを曲げる時の手ごたえが、指の関節をしばらく同じ形にしておいたときに感じるかすかなひっかかりに似ているという部分、しかも、その指の関節現象について、指をしばらく動かさずにおくと、関節がその形を最終形として記憶してしまい、そのために「細胞壁」を築いてしまうのだと信じていた子供時代の話、魅力的過ぎです。この部分を読んで、この本絶対におもしろいと確信しました。

中二階 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

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