年末に読んだ本

こうやって並べてみると、自分で選んだ本ながら、ホリデーシーズン感ゼロなのはもちろん、すごい方寄ってますねー。

この事件のことは覚えていたけれど、こんな裏、というか、知らない事情があったとは。でも、この本の一番好きなところはあとがきでした。これまで何でだろうと不思議に考えていたことに、別の角度から答えをもらえた感じ。


その特別な体型から、英国に連れていかれ、見世物にされ、死後はホルマリン漬けにされていたアフリカのコイコイ人の話。ホッテントットというのは、どもる人という意味の差別的呼び方なんだそう。連れ出したヨーロッパ人のことを信じ、自分は自由だと信じながら、見世物にされていた境遇が本当に切ない。しかもその相手のことを愛しているのだから始末が悪い・・・・・。

ホッテントット・ヴィーナス―ある物語

ホッテントット・ヴィーナス―ある物語


皮がはげてしまっても手を洗うのをやめられないとか、鍵をかけたかどうか確認し続けるとか、強迫にはそういうイメージがありましたが、このあと起きることを全て考えて納得してからじゃないと動けず、結局その場で足踏みし続けてしまう、なんていう症状もあると知って驚きました。

強迫 くもりのち晴れ ときどき雨

強迫 くもりのち晴れ ときどき雨


こちらも強迫が一番描かれていた本。自分でトイレができないほど汚さにおびえ、トイレも母親に手伝ってもらう状況なのに、なんでもっと早く病院に行かなかったのでしょう。当事者からすると、「どうしようもなかった」のかもしれないけど・・・・・。著者がアスペルガーだからか、他人への共感能力が薄く(自身も書いている)、苦労をかけた家族に対しての思いやりが文章にも十分に表現されていなくて、読んでいて複雑な気持ちになりました。それが障害によるものなのだとしたら、こういう障害を本当に理解するのは難しいなぁ。


これは写真がメインの本。患者さんの中で、おばあさん二人が、お互いに相手のことを「孫」「おばあちゃん」だと思っているというエピソードと写真に笑ってしまいました。「おまえはなんでこんなにしわくちゃなんだろうね」「本当にね」って。著者もこう感想を述べていたけど、本当に漫才を見てるみたい。

ひとりひとりの人―僕が撮った精神科病棟

ひとりひとりの人―僕が撮った精神科病棟


今日明日で何も読まなければ、これが今年最後に読んだ本になると思われます・・・・・。表紙が強烈なので、電車で読む時はさすがに気になりました。気になりながらも、読みましたが。できるだけ床に対して平行になる角度に本を倒すのがコツです。本の中で、木嶋佳苗が学生時代に「キジカナ」と呼ばれていたことを知り、現在、我が家でこのニックネームが流行中。

別海から来た女――木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判

別海から来た女――木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判