入院2日目から入院4日目までの記録(痛い画像が苦手な人はご注意を)

7月31日
朝5時に起きる。本当の病院の起床時間は6時。でも、もう、寝る気分じゃなくなってしまったから。
10年ぶりに入院して思い出したが、入院中の夜間は、1時間や2時間おきに看護師さんが見回りにくるんだった。眠りが浅い私は、たいていその度に目が覚めてしまう。この日も、そのせいで5時に起きてしまった。
その時事件が。ベッドに横になったまま枕もとの携帯を取ろうとして、ベッドマットとベッドの頭の板の間に落としてしまったのだ。手を伸ばせばベッドマットを乗せてある台の部分に届くと思いきや、そこは奈落の底。床まで隙間があり、携帯は床の上。
昨日左胸に入れられたドレーンのせいで、ちょっとした動きも痛く、簡単には取れない。しかし、この程度のことでナースコールは押せない。1時間ほど途方にくれて、痛みを我慢する決意を固め、自力で床にしゃがんで手を伸ばす。しかし、届かない。またしばし途方にくれ、最終的に、履いていたサンダルを脱いで、手に持ち、かき寄せるようにして捕獲した。1日分の仕事を終えたような気分。
13時頃、家族全員、父母妹がやってくる。みんなに病室やドレーンや傷跡をみせびらかす。



ドレーンがささっている箇所は自分ではよく見えないので、デジカメで写真をとってもらう。ぐろい。ちなみに、説明が遅くなったが、ドレーンはチェスト・ドレーン・バッグというものにつながっていて、常に点滴台のようなものにのっけて、ガラガラと移動しなければならない。


妹には、帰るとき、お土産に、朝食に出たふりかけを持たせる。給食風ふりかけ。普通に暮らしていたら、学校給食以来出会えない代物でしょう。
家族が帰った後も、割と精神的に安定している。心療内科でもらったソラナックスのおかげだろうか。
この日読んだ本は2冊。

この人ゴミを押しわけて、はやく来やがれ、王子さま。

この人ゴミを押しわけて、はやく来やがれ、王子さま。

私、地味女

私、地味女


8月1日
4時半起床。うっすら明るくなっているので、もうカーテンをあけてしまう。ゲームも本も音楽もどれもやる気にならず、さてどうしようかと途方にくれる。入院してわかったこと。よく途方にくれてしまう自分。
顔を洗うのが大変。ドレーンが入っている側の左手を上げると痛いので、右手ばかり活躍。身体を前かがみにするときも、左胸が痛む。
看護師さんに、ドレーンを挿した傷口が痛いのか、中が痛いのかよく質問されるが、痛すぎて、区別できない。
この日、1日ぶりに便通有り。下血がないので安心する。潰瘍性大腸炎は悪化していないようだ。
午後、チェスト・ドレーン・バッグが止まっていることに気づく。肺から空気が漏れている間は、青い水の部分が上下するはずなのに、おかしい。看護師さんに確認するも、よくわからないとのこと。漏れがもう止まったのかとみんなで期待したのだが、昼寝後、再び動き出す。思わせぶりなチェスト・ドレーン・バッグだこと!ふん!
この日読んだ本は2冊。

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)


8月2日
昨日の夜から再びチェスト・ドレーン・バッグが完全静止状態。私はそもそもこのチェスト・ドレーン・バッグが正常に動いていないんじゃないかと疑っているのだが、今朝先生に会ったとき、止まっているということは無駄な空気が漏れてないことだから、今日レントゲンを撮って問題が無ければ、いったん、クランプして(ドレーンを止めて)肺がつぶれないか確認して、大丈夫ならドレーン抜きましょうと、先生はおっしゃる。
ところで、今朝から生理が始まる。気胸になって5日間あいているから、やはり月経随伴性気胸ではないでしょうとのこと。先生からも体型のせいだときっぱり言われる。看護師さんからも、胸板が薄い気胸体型だと言われる。胸板が薄いって、胸が小さいっていう意味じゃないよね?まあ、胸はひもじいんだけども。
生理痛はひどかったけど、プレドニン減量中で潰瘍性大腸炎が悪化するのも怖いし、せっかくここまでお腹のことを考えて鎮痛剤を我慢してきたので、意地になって、耐え抜いた。
午後、母が来る。「ここがかゆい」とか「もっとちゃんと!」とかいろいろわがままを言いながら母に髪を洗ってもらおうと思っていたら、なぜか看護師さんが、おばちゃんがやったるわ精神の持ち主で、洗髪台の場所を問うただけなのに、ガシガシ洗い始めてしまう。ありがたいけど、ちょっととまどう。母はそんな私と看護師さんを横に立ってみていたが、看護師さんの洗い方に不満があったようで、少しだけ手を出し始める。私の頭を4つの手が洗っている。
ドライヤーはさすがに部屋に戻ってやるので、看護師さんは出てこないだろうと思いきや、ドライヤーを持ってきて、私の頭をオールバックに乾かし始める。すべて前から後ろへ。でも、左半身が痛くて、腕が上がらないので、自分でやれない私はやられるがまま。見かねた母が、途中で、「申し訳ないので、あとは私がやりますから」と交代してくれたが、3分の2はオールバックの形で乾いているので、クセ毛ふんわりボブには完全には戻らない。クセ毛ふんわりボブ〜オールバック風味〜な感じ。でも、まあ、すっきりした。
シャンプー後、先生から朗報。レントゲンで肺のふくらみが確認できたので、これからクランプして、明日のレントゲンで問題なければ、明後日退院だそう。母と二人で喜ぶ。期待しすぎは禁物だとわかっていても、期待してしまう。
そんな中、ドキッとしたことが。転職先から電話が入る。留守番電話に「またかけます」と残っている。もしかして、明日とか明後日とかに来てくださいという話だと、完全にアウトだ。いろいろ考えた末に、「今週は祖父母の家に一週間来ているので、無理です」という設定にして、折り返しこちらから電話をする。
そしたら、なんと、ただの「8月末に順調に退職できそうですか?」ということだけだった。「はい!」と答えて終了。まさか、相手も、病室から電話しているなんて、夢にも思っていないだろう。